なづログ

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残業を減らして社会保険料を節約する

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どうも、中小企業で人事の仕事をしているなづです。

今年度も最後の月、3月になりました。新型コロナウイルスの影響で意味で、時差出勤!テレワーク!時短!に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。うちの会社ではフレックスタイムの取り組みと残業禁止令が出ており、限られた時間の中でいかに成果を出すか、つまり生産性の向上を求められています。


ちなみに残業がなくなると当然残業手当がなくなるわけですが、ちょうどこの時期、残業手当を抑えることで社会保険料(健康保険料と健康保険料)を節約するすることができます。


なぜこの時期なのか?それはこの時期(3月から5月の残業→4月から6月に支給)の残業代が社会保険料に大きな影響を与えているからです。

定時決定(算定基礎)

定時決定とは、毎年4月から6月までの給与額をもとに社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)を算出し、保険料の見直しを行うことさします。

簡単に言うと、その人の月給に合わせて1年に1回保険料を見直す、ということになります。
そのタイミングが4月から6月の平均月給で算出されるという訳です。

月給24万円の場合の定時決定

固定の月給が24万円で残業代もいくらか加算されたとして平均月給を計算します。

 計算例:(4月24.5万円+5月24.1万円+6月24.3万円)÷3=平均24.3万円

交通費が6か月まとめて支給されている場合は1か月あたりの交通費も月給に加算します。

平均24.3万円+交通費の1か月分0.8万円=平均25.1万円

この方の平均月給は25.1万円になり、以下の表にあてはめると報酬月額は26万円となります。

標準報酬月額等級表(東京都)

月給 報酬月額 健康保険料 介護保険 健保+介護 厚生年金保険料
230,000~250,000 240,000 11,844 2,148 13,992.00 21,960
250,000~270,000 260,000 12,831 2,327 15,158.00 23,790
270,000~290,000 280,000 13,818 2,506 16,324.00 25,620


報酬月額は26万円の保険料は、健康保険12,831円、厚生年金23,790、合わせて36,621円となります。
合わせた36,621円はその年の9月から翌年の8月までの1年間適用することになるので、4月から6月の月給は社会保険料を決めるうえで重要な要素となります。


もし残業をしなければ、この場合は平均24万円となり社会保険料は33,804円となります。


その差は月2,817円、1年間では33,804円の差となります。


1段階違うだけで約3万円の差がでますので、期末や期初の3月4月はいつもより残業が多いという方は多くの保険料を払っているということになります。


いかがでしたでしょうか。


自分の標準月額と保険料が気になる方は↓こちらで計算してみてください。
www.team-cells.jp

まとめ

・1年間の社会保険料(健康保険料+厚生年金保険料)は4月から6月の平均月給によって決まる
・3月4月の残業が普段より多い場合その残業代も加算される